角膜を削らない眼内コンタクトレンズ視力矯正
視力矯正には
- メガネ
- コンタクトレンズ
- オルソケラトロジー(ナイトレンズ)
- LASIK(レーシック)などの屈折矯正手術
- 眼内コンタクトレンズ(ICL・IPCL)
- 白内障手術
があります。
そのうち、終日を裸眼で生活できるのはLASIKとICL・IPCLと一部の白内障手術になります。
ICL・IPCLは虹彩(茶目)と水晶体の間にレンズを挿入し視力矯正をします。
LASIKは角膜(黒目)を削って視力矯正をします。角膜を削る欠点は
- 術後何か問題が生じた場合、元に戻すことができない
- コントラスト感度(色の濃淡)が低下しやすい
- ハロー・グレアと言われる夜のライトが強く感じやすくなる
- ドライアイになりやすい
- 角膜の厚さを保つために強度近視では手術ができない
- 将来白内障の手術をする時の眼内レンズ度数に誤差が生じやすい
などがあります。
ICL・IPCLは角膜を削らないため、LASIKの問題点も生じにくいです。
ICL・IPCLのメリット
- 万一の場合でもレンズを取り出し、元の状態に戻すことができます。
- 終日を裸眼で生活できるので、災害時にも安心です。
- 近視が強い方でも矯正可能です。
- シャープであざやかな見え方が期待できます。
- ドライアイの原因になりにくいです。
- 紫外線をカットします。
- コンタクトレンズと違い、維持費がかかりません。
- 医療費控除の対象になります。
ICL・IPCLのデメリット
- 自費診療となるため経済的負担が大きくなります。
- 発注したレンズが到着するのに時間がかかるので手術までに時間を要します。
ICLとIPCLの違い
| ICL | IPCL | |
|---|---|---|
| ヨーロッパでの承認 | 1997年 | 2013年 |
| 老眼対応(多焦点レンズ) | × |
〇 単焦点レンズを挿入した白内障術後の方にも対応可能 |
| 遠視対応 | × | 〇 |
| レンズの制作範囲 | 少ない | 多い |
| 片眼価格(税込) ※術後6ヶ月間の検査・診察・薬代を含む |
31万5,770円 |
26万5,770円 多焦点レンズ:33万5770円
特殊レンズ (メーカーが定めた超強度の 遠視+6.5~+15.0D 近視-22.5~-30.0D 乱視6.5~10.0D) は追加5万円となります。 |
| 素材 | HEMAをコラマーでコーティング | HEMA |
| メーカー | STAAR Surgical社(アメリカ) | Eye-Lens社(イギリス) |
| 製造国 | スイス | インド |
※IPCLの多焦点レンズ・遠視レンズ・一部の軽度近視レンズ・特殊レンズはヨーロッパでは承認されていますが、国内非承認レンズとなります。
手術について
手術決定までの主な流れ
術前検査
手術の適応基準を満たしているかを確認するため、カウンセリングを行い手術希望の場合は術前検査に予約をしていただきます。
術前検査3回あり1回目の術前検査では、瞳孔を広げて、眼底検査・瞳孔径計測・屈折検査を行いますので、当日から2日間くらいはまぶしくなったり、物が見えにくくなりますので、車で来院はされないでください。
また、正確な度数を測定するため、コンタクトレンズを装用している方は一定期間装用の中止が必要になります(ソフトコンタクトレンズ:3日間、ハードコンタクトレンズ:2週間、オルソケラトロジー:4週間)。ご不便をおかけいたしますが、ご理解ください。
2回目の術前検査では1回目のデータをもとに視力検査を行い、3回目の術前検査で再確認を行います。これらの結果からレンズ発注をします。発注後はレンズの度数交換やキャンセルができませんのでご注意ください。術前検査後からコンタクトレンズ装用はできるようなります。
手術当日の主な流れ
来院受付後、スタッフの指示に従い、手術準備のための点眼などの準備を行います。
健康状態確認のための血圧、心拍数などのバイタルチェックも行います。
かきのき眼科では手術の不安除去目的で低濃度笑気ガス麻酔を用いております。
詳細はこちら
目薬で瞳孔を広げて、点眼麻酔をして、角膜の縁を約2.8~3mmと約1mm切開します。
切開した部分からレンズを眼の中に入れます。
レンズを虹彩と水晶体の間に固定します。
瞳孔を収縮させ手術は終了です。
院内でしばらくお休み頂いた後、目の状態を検査し、問題がなければお帰り頂きます。傷口が小さいので回復が早いため、入院不要で日帰りの手術が可能です。
術後の点眼や服薬等については医師の指示に従ってください。
- リラックスできる服装でご来院下さい。
- お化粧はお控え下さい。
- 公共交通機関やタクシーでご来院下さい。手術後は許可があるまで車の運転はできません。
手術後の生活
見え方について
視力の変動
術後1週間ほどは、炎症などで視力が変動することがありますが、回復とともに改善します。
完全に回復するまでは、目を直接触らないように注意しましょう。また制限事項も守るようにしてください。
ハロー・グレア
術後しばらく見え方が変動し、夜間や暗いなかで光を見た時に、眩しさを感じるなど、光に過敏になることがあります。
通常は徐々に気にならなくなりますがこの症状が残る場合はご相談ください。
一般的な症状(帰宅~翌日)
異物感・充血・かすみ
傷口が治癒し、炎症が治まることで、時間とともに自然に改善します。
手術後の注意事項
手術後一定の期間、日常生活の以下のような項目について制限があります。
詳しくは医師の指示に従ってください。
- 洗髪、洗顔
- シャワー、入浴
- 化粧、アイメイク
- 飲酒、たばこ
- 運転
- 運動
- プール
また、医師の指示に従ってお薬(点眼薬・内服薬)を使用し、定期検査を受けてください。
まれにおこる合併症
レンズの位置ずれ
術後検査でレンズの固定位置がずれていたり、レンズの大きさが適切でない場合はレンズの再固定や入替えを行うことがあります。
度数・サイズずれ
術後に予想した屈折度数やサイズのずれが大きい場合はレンズの入替え、乱視用レンズでは乱視軸の合わせなおしが必要になることがあります。
白内障
レンズに起因する水晶体の白濁が観察された場合はレンズを取り出し白内障手術を行い視力を改善させます。
緑内障
レンズに起因する眼圧上昇が見られた場合は薬や追加処置を行います。
眼内炎
極めてまれですが細菌が目の中に入ることにより眼内に炎症が生じる場合があります。抗生剤や消炎剤で対応しますが、程度によってはレンズを取り出すことがあります。
アレルギー反応
ジェルネイルにアレルギーの既往がある方は、ICL・IPCLの素材に対してもアレルギー反応を起こす可能性があります。事前の診察時にお申し出ください。まれにレンズ摘出が必要となる場合があります。
治療後は医師の指導に従いお薬の使用や定期検診を受けることが大切です。気になること、不安なことがあったらお気軽にお問い合わせ下さい。
Q&A
- Q:柿木医師は近視の手術を受けていますか?受けるとしたら何の手術を選択しますか?
-
もともと視力がいいので裸眼(手術は受けていません)です。ちなみに、妻と息子は当院でICL手術を受けています。
- Q:年齢の適応と適応外を教えてください。
-
適応
- 21歳以上(18歳~20歳は要相談)
適応外
① 白内障 ② 活動性の外眼部炎症 ③ ぶどう膜炎や強膜炎に伴う活動性の内眼部炎症 ④ 重症の糖尿病や重症のアトピー性疾患など、創傷 治癒に影響を与える可能性の高い全身性あるいは 免疫不全疾患 ⑤ 妊娠中または授乳中の女性 ⑥ 進行性円錐角膜 ⑦ 浅前房および角膜内皮障害
慎重を要するもの
① 緑内障 ② 全身性の結合組織疾患 ③ ドライアイ ④ 矯正視力が比較的良好で、かつ非進行性の軽度円 錐角膜症例 ⑤ 円錐角膜疑い症例
- Q:手術は痛いですか?
-
点眼麻酔をします。多少の違和感は出ますので、お声をかけながら手術を進めさせていただきます。
- Q:傷は残りますか?
-
角膜縁に約2.8~3mmと約1mmの切開創をつくり手術をします。手術直後は黒目にわずかに混濁が残りますが、ほとんどわからなくなります。
- Q:費用は公的医療保険の対象ですか?
-
自費診療となりますので、公的医療保険の対象にはなりませんが、医療費控除の対象となります。
- Q:老眼も治りますか?
-
IPCLには老眼対応の多焦点レンズもございます。ヨーロッパでは承認されていますが国内非承認となります。
回折構造のためハロー・グレア(夜の街灯や車のライトが強く感じます)が出ます。
眼鏡なしで近方が見やすくなりますが必ず必要なくなるとは言えません。
また、老眼が進行すると眼鏡が必要になることもございます。
- Q:白内障手術をすでにしていますが、多焦点IPCL手術はできますか?
-
眼の状態によりますが、可能です。





